持田屋旅館 女将

忍耐が報われたとき

そんなようせいさんに転機が訪れます。
旅館の常連の客層が不景気でいなくなったのです。

 

その時ようせいさんは旅館をたたもうか
とも考えたそうですが、その窮地を救ったのが
楽天トラベルだったといいます。

 

ようせいさんが頑なに守ってきた
持田屋旅館の空気感が出雲らしい
昭和らしい懐かしさを感じる)と
旅好きの人たちの間で噂になったのです。

 

ウェブでは、その口コミは書き込みとなって
全国の多数の人の目に留まります。

 

その結果持田屋旅館の評価は上がり
楽トラで出雲エリアを検索すると
上位に表示されるようになりました。

 

それで平田市の存在すら知らなかった人も
どんな宿なのか気になって訪れるようになり
持田屋旅館の知名度はさらに上がっていったのです。

 

 

 

ただ、そこにはウェブだからこその弊害もあります。
招かれざる客の増加、です。

 

価格が安くて高評価なので、
点数順・価格が安い順に並べ替えると
持田屋旅館は明らかに目立ちます。

 

その結果、安けりゃなんでもいい的な
あまりモラル的にぞっとしない客層も
残念ながら増えてしまったのです。

 

こういう人は口コミとか注意書きとか
面倒くさがって読まないことも多く、
また自分の出した金額をさしおいて
あれこれ注文つけてくる輩もいるのでたちが悪い。

 

しかし長年土建のプロと渡り合ってきた
ようせいさんにとって、そんなモンスターを
説教するぐらい造作も無い
ことです。

 

客だろうがなんだろうが、ダメなものはダメ。
ズバズバ切り捨てるので、そんな彼女の
強さに憧れる旅の女性は少なくなかったようです。

 

きっと気が弱くて周囲に言いたいことが言えず
会社や学校でストレスが溜まってしまう人は
ようせいさんの中に理想像を見出すのではないでしょうか。

 


(↑天照の力で太陽エネルギーを吸収しているようせいさん)

 

ただ、これで終わってしまうとようせいさんが
口うるさいだけのおばさんになってしまいます。
それではリピーターが増える理由が説明できません。
(世の中そんなにマゾだらけではないでしょうし。)

 

彼女の凄さは、おもてなしの心と
持田屋の空気感を一貫して大事に
守り続けてきたことにある
のではないかと思います。

 

旅人が増えてきた頃から、ようせいさんは
近所の飲食店や温泉に掛けあって
持田屋オリジナルのメニューを用意します。

 

初めは消極的な店の人も
(島根は閉鎖的というか、変わるのを嫌う土地柄です)
持田屋のお客が来る→喜ぶ→ようせいさんにフィードバック
→ようせいさん経由で別の客が来る→客が増える
という循環ができて、徐々に協力的になります。

 

今では飲食店の方から持田屋旅館に
オファーが来るそうなんですが、
ようせいさんが納得しないと安易には紹介しません。

 

それも「わざわざ旅館に来てくれた人に
変なものを勧められない
」というようせいさんのこだわりです。
金(利益率)で動かされるような人ではないのです。

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